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RETINA / VITREOUS

網膜静脈閉塞症:眼底出血と黄斑浮腫

眼底出血の量だけでなく、黄斑のむくみと網膜の血流状態を評価します。

有田眼科監修患者さん向け更新 2026年9月13日
網膜静脈閉塞症で網膜出血がみられる眼底写真
先に要点
  • 網膜静脈閉塞症は網膜の静脈の流れが悪くなり、眼底出血や黄斑浮腫を生じる病気です。
  • 見え方へ大きく影響するのは、出血の量だけでなく、黄斑浮腫と黄斑の血流障害です。
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症など全身の血管リスクも確認します。

BRVOとCRVO

静脈の枝の一部が閉塞する分枝網膜静脈閉塞症(BRVO)と、網膜静脈の中心部で広く流れが障害される中心網膜静脈閉塞症(CRVO)があります。出血範囲、黄斑への影響、虚血、新生血管のリスクが異なります。

網膜静脈閉塞症で網膜出血がみられる眼底写真
閉塞した静脈の領域に沿って網膜出血がみられます。

視力低下の大きな原因となる黄斑浮腫

血管から漏れた水分が黄斑にたまると、かすみ、ゆがみ、中心視力低下につながります。出血が吸収されても、黄斑浮腫や虚血による神経組織の障害が残れば見えにくさが続く場合があります。

網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫のOCT画像
網膜内に液体がたまり黄斑が厚くなった状態を確認します。

むくみと血流を分けて評価

眼底写真では出血範囲や新生血管、OCTでは黄斑浮腫の有無と治療反応を確認します。必要に応じて造影検査などで虚血範囲や血管からの漏れを評価します。

黄斑浮腫の治療

視力に影響する黄斑浮腫では抗VEGF治療が中心です。病状や反応によってステロイド、レーザー、硝子体手術などを検討する場合があります。OCT上のむくみが減ることと、神経組織の機能が完全に戻ることは同じではありません。

検査間隔は活動性に合わせる

発症直後、抗VEGF治療開始時、むくみが再発しやすい時期、安定している時期では適切な診察間隔が異なります。必要以上に頻回な検査を続けるのではなく、OCTの液体、出血、視力、虚血・新生血管リスクをみて間隔を調整します。

全身の血管リスクも確認

血圧、血糖、脂質、喫煙、腎疾患などを確認します。眼科の治療だけでなく、必要に応じて内科で全身の血管リスクを整えることも重要です。

なぜ網膜静脈が詰まるのか

網膜静脈閉塞症では、網膜の静脈の流れが悪くなり、血液がうっ滞して網膜出血や浮腫が生じます。BRVOでは動脈と静脈が交差する部位で静脈が圧迫されることが多く、高血圧や動脈硬化などの全身因子が背景にあることがあります。CRVOでは網膜全体に広く出血がみられることがあり、虚血の程度によって経過や合併症リスクが変わります。

出血が減ることと、見え方が戻ることは同じではありません

眼底出血は時間とともに吸収されることがありますが、中心視力を左右するのは黄斑浮腫や黄斑の虚血、外網膜の障害などです。「出血が少なくなったから治った」とは限らず、OCTで黄斑の液体が残っていないか、造影検査などで血流が保たれているかを確認します。

治療中は再発パターンをみながら間隔を調整します

抗VEGF注射で黄斑浮腫が改善しても、薬の効果が弱まると再び液体がたまることがあります。再発までの期間には個人差があるため、全員に同じ間隔で注射を続けるのではなく、OCT所見、視力、出血、これまでの再発周期をみながら治療間隔を調整します。長く安定している場合には診察間隔を延ばせることもあります。

虚血が強い眼では新生血管にも注意します

網膜の血流が大きく低下すると、眼内でVEGFが増え、新生血管が生じることがあります。新生血管が出現すると硝子体出血や眼圧上昇につながることがあるため、黄斑浮腫だけでなく周辺網膜や前眼部も含めて経過を確認します。必要に応じて網膜光凝固などを検討します。

文献から考える

黄斑浮腫では抗VEGF治療が中心

AAO PPPやEURETINAでは、RVOに伴う視力低下性の黄斑浮腫に対して抗VEGF療法が中心的な選択肢とされています。

AAO / EURETINA
文献から考える

RVOでは「出血の量」だけでなく、黄斑浮腫・虚血・新生血管を分けて追います

2025年AAO Retinal Vein Occlusions PPPでは、視力低下を伴う黄斑浮腫に対して抗VEGF治療が中心的な選択肢です。OCTで液体が減った後も再発することがあるため、反応をみながら注射・診察間隔を調整します。

眼底出血が薄くなっても、黄斑浮腫や黄斑虚血が残れば見え方が十分に戻らないことがあります。反対に、出血が目立っていても中心窩が保たれていれば視力が比較的良好な場合もあります。眼底写真だけでなくOCTと必要に応じた造影評価を組み合わせる理由です。

虚血が強い眼では新生血管や血管新生緑内障などの合併症にも注意します。高血圧、糖尿病、脂質異常症など全身の血管リスクを確認することも、眼科治療と並行して重要です。

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文献・診療ガイドライン

このページは、患者さん向けに理解しやすい表現へ要約しています。診断や治療適応は個々の眼所見によって異なります。

  1. Retinal Vein Occlusions Preferred Practice Pattern® (AAO, 2025). 原典
  2. Guidelines for the Management of Retinal Vein Occlusion (EURETINA). 原典
  3. 有田眼科「網膜静脈分枝閉塞症」 原典

最終更新:2026年9月13日 医学的内容の確認:有田眼科 院長 有田量一

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